MECEを意識して論理的に:社会人の司法試験受験戦略
久々に「社会人の司法試験受験戦略」に関する記事投稿です。今回は、法律論とは異なりますが、多くの方の答案を読んでいて意識から抜けていると感じること、そして司法試験受験界であまり出てこない情報として、ロジカルシンキングの一例を取り上げます。
当然ながら、司法試験や予備試験では論文式試験があり、論文試験では説得的・論理的な法律論文を書くことが必要です。論理的な文章を書くうえでロジカルシンキングは知っておくと便利です。その中でもMECEを意識しているか否かで論述の隙の有無や、日常の勉強での吸収率も変わってくるように思います。
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MECEとは?なぜ重要か。
MECEは、Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの略でミーシーと読みます。MECEは、母集団全体を漏れなく・重複なく整理したグルーピング手法です。ポイントは、①漏れなく、②重複なくという点です。
論文を読んでいると、「Aの場合はa、Bの場合はb」というような検討過程をみかけるのですが、AとBという分け方がMECEになっていないケースがあります。例えばAの一部がBと重複しているのではないかという懸念がある場合や、AとB以外にも多くのケースが想定される場合です。
MECEになっていない場合、矛盾や検討漏れがあることが想定され点数はのびません。そもそも説得的な判断枠組みを構築できていないということです。重複があり矛盾している場合は当然有害ですし、検討漏れがあるようにみえる場合には採点者からすると答案作成者がどのように考えているかわからないので点数を与えづらいことになります。
勉強の段階でも、論理的に整理したうえで自分の知識として吸収していくことが、インプット効率・記憶効率のうえでもアウトプットするうえでも重要です。
ロジカルシンキングを身に着けよう
ロジカルシンキングの本は一度読んでもいいと思います。多かれ少なかれ日常生活でも使える考え方ですし、勉強の合間に息抜きにいかがでしょう。隙がない論理的な文章を書くうえでの基礎技術としては有用だと思います。力技で勉強をたくさんしてというのは社会人司法試験受験生には難しいと思いますので、考え方をみにつけて効率的に勉強して成果をあげてください。