行政法の勉強記録:社会人の司法試験受験戦略
今回は行政法をどのように勉強していたか紹介します。
あまり特徴的な勉強法ではないかもしれません。
行政法の勉強は、試験前直近一年は演習のみ実施していましたがそれ以前はケースブックを何度も読んでいました。
前回ご紹介した憲法のようにとにかく繰り返し判例を読んでいたというようなシンプルな勉強法ではなく、段階に応じて勉強のスタイルを変えていきました(基本的には論文のみを意識した勉強スタイルです)。
まず、行政法については何も知らない状況で、基本書を2回通読しました。
その後、問題・解法のイメージをつかむために事例研究行政法を1度通読しました。
ここでの通読は、覚えることが目的ではなくイメージを掴むだけのものなので1時間15ページくらいのペースで読みました。
ここまでが、ロースクールの授業とは無関係に1年次に勉強した内容です。
私が通っていたロースクールでは1年次に少ししか行政法の授業がないカリキュラムでしたので1年次はほとんど独学です。
2年次は、ケースブック(判例)を繰り返し読みました。
授業で扱う範囲はあまり意識せずにマイペースにケースブックを繰り返し読みました。
百選は、事案の説明や判例の引用が、私にとっては読みづらくほとんど使いませんでした(百選に掲載されているのはどういうものか把握するためにパラパラした程度)。
2年次はとにかくケースブックで判例を読むということばかりやっていました。
1年次に、行政法の問題イメージをだいたい掴んでいたので、論文出題時に書くことになりそうな言い回しや、必ず拾わなければならない重要な事実等をノートにまとめていきました。
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ロースクール3年次以降は、演習書を繰り返し読みました。
使用した演習書は、「事例研究行政法」(曽和俊文・金子 正史)と「行政法 事案解析の作法」(大貫裕之・土田伸也)です。
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演習書を読む際には、問題をまず読み、自分で作成したノートを見つつ回答を頭で構成し(時間がないので書かない)、その後解説を読むという順ですすめました。
頭で構成したものと解説にギャップがあった場合には、足りない部分が知識なのか解法なのかを考えノートを補充しました。
知識部分なのか、解法(考え方)なのかを分けているのは、解法部分は繰り返していくうちに忘れなくなることが多いので最終的にノートから削除するためです。
以前「心構え:社会人の司法試験受験戦略」でご紹介しましたが、基本的には一夜漬けで試験に受かるような準備をするというスタンスのため、ノートは最小限のことしか記載しないようにつとめました(多すぎると前夜に消化しきれないためです)。
実際、3月4月に答練で数回書いたことを除いて試験前直近半年くらいは行政法の論文関係には触れずにおり、試験前日にノートを見直すまでは論文で書くような基本論点はすっかり忘れていました。
出題形式・解法・回答のイメージさえついていれば、演習書一冊とケースブック一冊を頭にいれておけば司法試験・予備試験はなんとかなると思います。
短答については、論文の勉強の中で判例を抑えられますので、行政手続法(行手法)、行政事件訴訟法(行訴法)等の条文を読んでおけば大丈夫です。